転職活動を行う中では、転職先企業に提出物を事前に送付しておく場合があります。
この中には、自身がどのような人間なのか伝えられる資料として、「履歴書」「職務経歴書」が挙げられるのですが、この二つの違いがわからず悩んでいるという方や、少しずつ似ている部分があるためどのように扱うべきか判断しかねるという方がいるはずです。
そこで、それぞれが持つ役割と、企業側が考える判断のポイントについて理解しておきましょう。
目次
履歴書と職務経歴書との違いとは?
履歴書と職務経歴書は、似ているようで少しずつ違いがあります。
書き方と企業側の考えに違いがありますので、それぞれご紹介していきます。
履歴書と職務経歴書は、内容がかなり似ていますが、それぞれインターネットで作成例などを検索すると、書き方に違いがあるように感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
履歴書
まず履歴書でしたら基本的にA3用紙1枚で作成されます。
こちらは完全にフォーマットが決まっており、簡潔に内容を伝えることができるため、就職活動や転職活動で多くの企業が取り入れている方式です。
この形式であれば、コンビニやスーパーなど様々な場所で販売されているため、誰でも簡単に手に入れることができるでしょう。
職務経歴書
それとは逆に、職務経歴書にはA4用紙という決まりはありますが、内容のフォーマットというものがありません。
基本的には自身の自由にアピールポイントを作れるのが職務経歴書です。
かならず1枚に収めるという必要もなく、書きたいアピールポイントが複数あるのなら、枚数をまたがって作成しても問題ありません。
また、職務経歴書は、職務に重点を置いたアピール資料となります。
今までに働いてきた場所の情報や、学んだ知識、その他仕事に関する情報を記入していくため、転職時に求められる可能性が増えてきます。
企業側の考え
企業側には、採用に関する取り決めがあります。
大企業になっていくごとに、その取り決めは厳しくなり、ある程度のフォーマットが必要になる場合があります。
とにかく短時間に大人数の情報を見ていく必要も出てくるため、大企業ではフォーマットの決まった履歴書、中小企業など採用人数の少ない場所では能力を重視した職務経歴書が好まれます。
求人情報の提出物の項目を見ていけば、どちらを提出してほしいのか明記してありますので、事前にチェックして作成していきましょう。
履歴書が持つ役割とは?
それでは上記でざっくりと説明した履歴書について、詳しく役割をご紹介します。
どのような場面で作成し、何に重点を置いて考えていくべきなのかを理解し、自身の転職活動に役立てていきましょう。
履歴書の役割
履歴書は、転職者の全体像を把握するために用いられます。
例えば、どのような学校を出て、今までに何を学んできたのか知るだけでなく、どのような会社に入社して働いたのかも簡潔に知ることができます。
また、転職者の性格や特技、趣味などをざっくりと確認できるため、履歴書のフォーマットに従って人物をチェックしていけば、質問を考えやすくポイントを抑えやすいため、大人数を一度に面接する大企業などで幅広く活用されています。
フォーマットが決まっているため、複数の転職者を同じ目線で確認できるというメリットもあり、書類確認時に、全体のイメージを沸かせ、面接の質問で、転職者の良し悪しを判断していくという流れを作り出せます。
型にはめた採用を行っていけば、楽に平均以上の人材を見つけられるというメリットがあります。
職務経歴書が持つ役割とは?
同じように、上記でざっくりと説明した職務経歴書についても、詳しく役割をご紹介します。
中小企業や能力重視の企業などはこちらの書類を求めることが多いため、役割を理解して活用していきましょう。
職務経歴書の役割
職務経歴書は、今までの職歴と能力を重視した書類となります。
作成についてもフォーマットがなく、自由に作成していくことができるため、企業に合わせたアピールポイントをまとめていけば、質の高い経歴書を作成することができます。
職務経歴書には、今働いている会社と、いままでに働いた会社を記入するのが基本となります。
そこには
- どのような業務に携わったのか
- 業務での役割
- 業務スタイル
- 成果など
を書き込みます。
箇条書きのように簡潔に書き込めるため、文章として作り上げる必要がありません。
これらの項目から、企業側は「会社で役立つのか」「支障が出ないのか」を考えながら採用の判断を行っていきます。
また、取得した資格などを書き込み、何に役立つのかを文言でまとめておけば、企業側の目に留まりやすく、アピールしやすい内容にできます。
企業が見る履歴書や職務経歴書の判断ポイントとは?
以上、それぞれの特徴と役割をご紹介しましたが、企業側がその中で、どのような部分を意識して採用を判断していくのか、ポイントを抑えておきましょう。
特にチェックされるポイントを知っておけば、アピール方法などが確認できたりと、採用のコツなどをつかめるようになります。
履歴書の判断ポイント
履歴書は、全体的に記入できる文字数に制限があります。
その中でも企業側が確実にチェックするのは、
- 志望動機
- 資格
- 趣味・特技
の3項目です。
まず、「志望動機」については、なぜ自社を選んだのか気になるため、確認されます。
もしかしたらすごい能力を持っていて、その能力を発揮するために選んだのか。
それとも、いろいろと不満を持っていて、自社ならそれを解決できるのか等、自社に転職するメリットなどを知りたいため、確実にチェックされます。
また、このポイントは質問しやすいという特徴もあるため、内容をよく見られて質問されることを知っておきましょう。
つぎに、「資格」ですが、企業によっては資格が業務に大きく影響を与える場合があります。
それは業務受注や進行など様々な面で役立つため、こちらも必ずチェックされます。
もし企業にとって関係のない資格でも、勉学への熱意などを伝えていけるため、取得した資格などは積極的に記入しておくと高評価を貰いやすくなります。
さいごに、「趣味・特技」は、転職者の自主性やアピール能力を見るためにチェックされやすい項目となります。
普段の生活の中で、何に熱を持って過ごしているのか、その熱を仕事にも生かせそうか。
そういったことを企業側は面接時に確認していきます。
趣味や特技は話題作りのために設けられているのではなく、その中から判断されるポイントも多いため、アピールしやすい内容を記入しておくのが吉です。
職務経歴書の判断ポイント
職務経歴書は文字数などに決まりがありません。
そのため、自身の自由に書類を作れるのですが、ある程度ポイントを意識しておかなければ、判断されるポイントを見落とす可能性もあります。
ここではよくチェックされる項目である
- 職歴(内容)
- 簡潔さ
についてご紹介します。
まず、「職歴(内容)」については、職務経歴書を求める企業であれば必ずチェックされます。
前の会社ではどのように働いていたのか、具体的なことを知り、自社でも活かせそうかを判断するために、面接で必ず質問されます。
また、「簡潔さ」については、作成した経歴書の見やすさにも関わってきます。
書きたいことがたくさんあって経歴書を何枚も作成してしまえば、ポイントの落としどころがわかりませんし、面接官も質問しづらいと感じます。
「簡潔にいうと何が伝えたいの?」と思われてしまえば、採用がぶれてしまう可能性がありますので、書類の簡潔さを意識して、多くても2枚までに収めていくといいでしょう。
おわりに
転職活動では、提出書類が企業で違っていたりと、使い分けが大変です。
しかし、今回紹介した履歴書、職務経歴書は重要とされるポイントが違うだけで、どちらも似たような内容です。
そのため、転職活動を始めたら、最初に作成できる部分を記入し準備しておくといいでしょう。
両方準備しておけば、緊急作成する必要もなくなるため、余裕を持った活動ができるようになるはずです。
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