転職するときには、今まで働いていた会社を辞める必要が出てきます。
このとき、辞める手続きとして退職届の提出が必要になるのですが、どのタイミングで提出したらいいのかわからないという方もいれば、書き方がわからないという方もいるはずです。
退職届の提出は、かなりドキドキするもので、中にはストレスを感じる方も出てきます。
そのため、トラブルなどを最小限に抑え円満退職するためにも、作成と提出のコツを理解しておきましょう。
目次
退職願・退職届・辞表の違いとは?
インターネットで会社を辞める方法を検索すると、退職願・退職届・辞表などたくさんのワードが出てきます。
これらは会社を辞める際によく出てくるワードとなりますので、それぞれの特徴と違いを理解しておきましょう。
退職願
これは退職を願い出る書類のことで、会社側の合意を求めるために提出するものとなります。
まだ合意を求めるためのものですので、正式に辞めると決まったわけではなく、その前段階だと知っておきましょう。
この願いが受理され、労働契約の解除が決定したら退職届を提出します。
退職届
上記に挙げたように、退職願が受理された後に提出する書類です。
正式に会社を辞めるための届け出を行うというもので、この届出を行えば、もう撤回することはできません。
民法で決められた条例より、退職届の申し入れ後、2週間で会社を退職できるようになります。
書類には退職日を記入するなど、最終的な手続きとなります。
辞表
辞表と言えば、ドラマなどで社員が会社を辞める際に、上司の机へ叩きつけて提出しているシーンを見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのシーンを見ると、会社を辞める人ならだれでも辞表を出すものだと思うかもしれませんが、実際は、一般社員が提出するものではなく、公務員や、経営者、役員の方が提出する書類となります。
内容は退職願、退職届と同じですので、自分の立場などから必要な場合だけ辞表と封筒に記入しましょう。
退職の決意から退職までのスケジュール
もしかすると、今の会社を退職したいが、動き方がわからないため身動きできないと悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以下に、決意~退職までの簡単なスケジュールを紹介しますので、そのスケジュールに合わせて行動を起こしてみましょう。
- 退職の決意(40日前)
仮に、今の会社を辞めたいと思ったとします。この時には、上司への相談、退職願の記入を行っておくといいでしょう。 - 退職願の提出(30日前)
作成した退職願を、所属部署長などに提出しましょう。 - 退職願の受理(20日前)
退職願が受理されるまでは、数日程が空きますので、その間に仕事の引継ぎや退職書類の準備を行いましょう。 - 退職届の提出(15日前)
退職願が受理されたら、正式に退職届を提出しましょう。
提出後、2週間は会社に勤める必要がありますが、有給休暇を消化できていない方などは、この期間を利用して消化できることもあります。
もし引継ぎが終わっていなければ、この期間を利用して仕事の引継ぎを行っておきましょう。 - 退職後(当日)
退職後、会社の税金・保険の契約が切れてしまうため、再度申請を行う必要があります。
会社から手続き用の資料が郵送されることもあるため、投函のチェックを行っておきましょう。
退職願い例文
退職願いは以下のように記述していくことで簡単に作成できます。
例文をもとに自身の言葉で記入していきましょう。
退職願①
令和××年××月××日②
株式会社☆☆☆③
代表取締役 〇〇 〇〇殿④
△△部△△課
氏名□□ □□ 印⑤
私儀⑥
このたび一身上の都合により、誠に勝手ながら、
令和〇〇年〇〇月〇〇日をもって退職したく、ここにお願い申し上げます。⑦
以上
- タイトルとして、署名の頭には「退職願」と大きく記入しましょう。
- ここには提出する日付を付けるようにしましょう。
- 自身の辞める会社名を記入します。
- 代表取締役の名前を忘れずに。
- 最終的に代表取締役に読まれることとなるため、部署と課名、名前がわかるようにしましょう。
また、自身の押印を忘れないように気をつけましょう。 - 私儀とは「わたくしぎ」と読みます。挨拶状などの正式な文章において、自分に関する内容を記入するときに使う言い方となります。ざっくり言うと、私のことという意味になります。
- ここの文章は様々な書き方ができますが、「一身上の都合(どうして辞めるのか)」「〇〇年〇〇月〇〇日(いつを予定しているのか)」「お願い申し上げます(退職願のため)」を意識した文章にしていきましょう。
以上が、退職届記入のマナーとなります。
書くポイントを抑えておけば、用紙サイズや縦文字横文字など自由に決めることができますので、書きやすい文章で作成していきましょう。
手書き、パソコン書きどちらでも構いませんので、自身の好きなやり方で作成するといいでしょう。
退職届け例文
退職届の例文は基本的に退職願と似ています。
ポイントを抑えて退職願と同じように作成していきましょう。
退職届①
令和××年××月××日②
株式会社☆☆☆③
代表取締役 〇〇 〇〇殿④
△△部△△課
氏名□□ □□ 印⑤
私儀⑥
このたび一身上の都合により、誠に勝手ながら、
令和〇〇年〇〇月〇〇日をもって退職いたします。⑦
以上
- タイトルが「退職届」に変わりますので注意しましょう。
- 退職願と同じ
- 退職願と同じ
- 退職願と同じ
- 退職願と同じ
- 退職願と同じ
- 退職願が受理されているため、退職届では「退職します」という文章に変更しましょう。
変わる部分はタイトルと本文だけですので、退職願と同じ考え方で作成できるでしょう。
内容が似ているため、流用するときは間違えないように注意して作成されるといいかもしれません。
封筒への入れ方・渡し方
封筒サイズは最も一般的な「長形4号」を利用していきましょう。
封筒の表紙には「退職願」もしくは「退職届」と手書きで記入し、裏には自身の部署と課名、そして氏名を記入しておきましょう。
作成した用紙については、そのままでは封筒に入りませんので、折を付けてから封筒に入れていくといいでしょう。
折り方は、3つ折り、4つ折りのどちらでも構いませんが、本文を内側にするように折ってから封筒に入れましょう。
封筒の渡し方は、職場環境によっても違いますが、トラブルが少ない方法としては、所属部署長など自身の所属する部署の偉い方を別室に呼び出し、個人で封筒を渡すのが周りに話が広がらないため安心できます。
手渡しされるときには、しっかりと両手でもって封筒を渡すようにしましょう。
退職届に関するQ&A
- Q1.渡す勇気が出ません。どうしたらいいでしょうか。
A1.自身でどうしても渡せないという時には、退職代行サービスを利用するのも一つの方法です。退職でストレスを溜めてしまうのは避けるべきことですので、難しい場合には検討していきましょう。 - Q2.退職の相談ができる人がいません。今後の行動に不安があるのですが、誰に相談したらいいでしょうか。
A2.友人や知人、同僚などへの相談が難しいのなら、転職エージェントや転職サービスを利用して、自身の悩みを相談していきましょう。プロの立場から的確なアドバイスを貰えるため、役立つ情報が得られるはずです。 - Q3.退職を拒まれてしまいます。対処法はあるでしょうか。
A3.法令上、会社を辞めることを無理に止めることはできません。もし、脅迫などの阻害があるのなら、弁護士や転職サービスに相談し、今後の対策を考えていきましょう。
おわりに
転職するなかで一番大変なのが、今の会社を辞めることです。
今までお世話になってきた人や、嫌いな人などに対して面と向かって辞めることを表明するため、その時間は特にストレスが溜まるはずです。
円満退職が理想的ですが、難しい状況などもありますので、トラブルを避けるためにも、できる対策を講じていきましょう。
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