転職活動の面接では、面接官から様々な質問を受けます。
例えば
「3分間自己アピールをしてください」
「弊社を志望した理由を教えてください」
など基本的な質問がありますが、中には少しマイナスな内容を含んだ
「あなたの退職理由を教えてください」
という質問をされる場合が考えられます。
こういったマイナス面を含む理由を話すことに抵抗を持つ方であれば、正直に内容を退職の話すべきか迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、話して良いこと・悪いこと、伝えるポイントについてご紹介しますので、面接の予習としてご確認いただけると幸いです。
目次
退職理由の主な実例
退職したいと考える理由は人によって違います。
以下に様々なケースにおける退職理由をご紹介します。
ケース①「仕事量」
一人でこなせる仕事量に対して、それ以上の仕事量を要求してくる企業は少なくありません。
とくに少数精鋭で仕事を行っている企業であれば、その確率が高くなります。
仕事量が多いと残業時間が増え、プライベートの時間を確保できなくなり、ストレスに直結します。
中には残業時間の給与をカットする企業もあるため、その影響から退職したいという気持ちが膨れ上がり、会社を辞める方も大勢います。
ケース②「給与面」
働く企業によって基本給に違いがあります。
またその年の企業収益によって賞与などにも大きく差が生まれてしまいます。
このとき、自分よりも少ない時間働いているにもかかわらず高給の人を知ったり、生活において支障が起きてしまっていることに気が付き、仕事を辞める方がいます。
ケース③「人間関係」
上司との馬が合わない、部下が言うことを聞いてくれない。
今働いている企業では何をしても自分にしわ寄せがやってくるため、それをストレスに感じている方もいるはずです。
中には嫌がらせをしてくる人物がいたり、人間関係が悪く仕事の連携が取れないなど、人間関係に悩み仕事を辞めるという方もいます。
退職理由の実例から見る面接で正直に話すリスクとは
以上、ご紹介した退職理由を面接時に直接話した場合、各項目で以下のような印象を面接官に与えてしまう場合があります。
そのため、正直に話した場合のリスクについて理解しておくといいかもしれません。
ケース①「仕事量」
転職先によっては、残業が必要となる企業もあります。
そのため、
「残業が長いから辞めた」
「休みが少ない」
などの理由をストレートに話してしまうと、今まで働いていた会社よりも残業時間が短い企業の面接を受けた時に、
「うちの会社も残業時間が必要になるから、この人はうちを辞めてしまうかも…」
という印象を持たれてしまう場合が予想されます。
ケース②「給与面」
給与面について素直に
「給与が少ない」
「〇〇万円では不満」
などと伝えてしまうと、同じくらいの給与である転職先企業からは、マイナスイメージを持たれてしまいます。
お金に関するトラブルは個人間だけでなく、個人対企業でも起きやすいデリケートな部分となりますので、ストレートな発言はできるかぎり避けていくことが必要です。
ケース③「人間関係」
人間関係は働いてみないとわからない複雑な問題です。
抽象的な意味合いでこの退職理由を面接官に伝えてしまうと、人間関係を悪くしてしまうトラブルメーカーだという印象を与えてしまうため、採用が難しくなる場合があります。
抽象的な話題は個ではなく面として捉えられるため、具体性に欠けた人間関係の退職理由は避けるのが吉です。
退職理由からポジティブに変換する例文
では、上記のリスクからマイナスに捉えられやすい退職理由をポジティブなものに変換するための参考例文をご紹介したいと思います。
ケース①「仕事量」
仕事量については、仕事量の話だけではなく、なぜ仕事量が多かったのか、その原因について説明することが大切です。
企業の仕事量が多い原因は複数あります。
その中でも悪質な方法による仕事量の増加が理由であると伝えられれば、転職先企業はマイナスイメージを感じることが無くなります。
ただ単に仕事量が多いから辞めたと聞くと、仕事が忙しくなる繁忙期に辞めてしまいそうだという印象を受けるため、気をつけましょう
・例文
「前の会社では、無理な仕事量が原因で退職しました。私は〇〇という部署で働いており、営業がノルマ達成のために〇〇部の業務状況を考慮せずに契約してしまうため、毎日夜遅くまで働き、中には深夜を超える場合もありました。」
ケース②「給与面」
給与面は、
「〇〇万円だから不満」
と伝えるのではなく、その給与が影響してどういった支障が出ていたのかを詳しく伝えていきましょう。
給与といっても基本給や手当など複数の項目があるため、具体的に説明をして面接官を納得させていきましょう。
・例文
「以前働いていた会社では、基本給が〇〇万円、手当が〇〇万円であり、基本給の少なさから実質給与額が少なく、賞与などへの反映も少額となっていました。年間の昇給額も期待できず、家族との将来的な生活に支障が出ると感じて退職を決意しました」
ケース③「人間関係」
人間関係は、相手側の原因を詳しく伝えることが大切です。
どういった不満からストレスを感じて退職したのか伝えていけば、マイナスイメージを与えることなく返答できるようになります。
・例文
「以前働いていた会社では、上司から根拠のないパワハラを受け、嫌がらせのように関係ない仕事を押し込まれていました。担当している仕事に支障が出たり、メンタル的にも仕事を続けることが困難だと感じ退職を決意しました。」
今回のケースにおいては、どれも具体的な内容を伝えることがカギを握っていますので、以上の例文を参考にポジティブイメージの強い回答を考えておきましょう。
ポジティブ変換が難しいときは
以上、3つのケースに関する変換例文についてご紹介しましたが、中には自分の経験や考えではポジティブな内容への変換が難しいと思う方もいるはずです。
そこで、どうしても変換できそうにないというのであれば、退職理由から自分の心情の変化や、転職先企業を選んだ理由につなげてみるといいかもしれません。
上記で挙げた例文の後半は、退職理由の補足説明であり、その部分を説明せずとも退職理由は伝えられます。
無理にポジティブな内容に変換しようとすると、ちぐはぐな言葉になってしまう可能性があるため、他の項目につなげていく方がハードルは低いと言えます。
以下に簡単な例文を記載しますので、変換が難しい方はこちらを利用してみるのもいいかもしれません。
・例文①
「私は〇〇が原因で退職を決意しました。御社では、原因である〇〇を解決できる管理体制があるため、採用された場合には、私が持つ〇〇という能力を最大限に発揮していきたいと考えています。」
・例文②
「私は〇〇が原因で退職を決意しました。今回の退職により自分の考えを振り返るきっかけができ、御社に採用していただいた暁には、〇〇という能力や実績を活用していきたいと考えています。」
おわりに
マイナスな内容をプラスに変換していくのは難しく、しっかりと準備した状態で面接に臨んでいかなければ、内容の定まらない支離滅裂な返答になってしまう可能性があります。
その失敗を減らすためにも、まずは自分の退職理由を具体的にイメージできるようにし、例文を参考に自分なりの変換を行ってみましょう。
変換は複数案作ってみて、一番良いと感じるものを選ぶようにすることで、内容を洗練させることができるため、良い返答につなげていけます。
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